本革手縫い 扶桑改二モチーフ 本革ロングウォレット製作しました
こんばんは、サークルkuronekoにて製作を担当している黒猫です。
今回は構想から約二年、デザイン・製作に半年をかけた艦これの扶桑改二モチーフ、本革手縫い長財布を製作しました。
金箔押しや重ね縫い、外付けチェーンの他に縫いこみチェーンという新しい技術を使って製作してみました。
革もそれぞれ特性の違う五種類のものを、それぞれに適した形で使い分けています。
前回製作した、航空戦艦日向モチーフのロングウォレットと比べると、全体としての形が異なるのが分かるかと思います。
素材や製作、その他画像については続きをご覧ください。
製作について
今回は本当に、デザインのラフ段階から何度も何度も変更があり、その度に試作を作ってみましたがどれも上手く行かず…結局、二年かかってロングウォレットという形で完成させる事が出来ました。
扶桑の儚げな雰囲気と、そして艤装の重厚感を両立させるという、二律背反したようなものを一つの作品にするにはいくつもの新しい技術が必要でした。
【艤装や艦橋をイメージした、真ん中から切り替えしまでの部分】
ここに切り返しを入れる事によって、革の厚みや弾性の関係から、チェーンを革と革の間に縫いこむデザインが実現しました。ここは重厚感を出すために、金具やチェーンを多用してイメージを作ってみました。
もともと財布は、折り返す部分を柔らかく曲がるように作るのが常識なので、あえてここに革を重ねて硬さを出すというのは、製作方法としてはかなり難易度が高くなります。
桜散らしの刻印に、何色か重ね染めをして微妙な色合いを表現してみました。
刻印が出来て、なおかつ染色ができる白い革というのは実はこの「牛白」と呼ばれる革だけだと思います。
これはあまり流通していない革で、問屋さんに行って奥から出してきてもらわないと入手出来ませんでした。わりと珍しい革かなと思います。
スカート部分の金箔散らしを桜の花びらで表現してみました。
革に箔を乗せる技法は、教科書や革教室ではあまり教えていないんじゃないかなと思います。
というのも、箔押しに耐えられかつ色味も綺麗に出る革と言うのがかなり限られるからです。ここは私も初めての技術だったので、様々な試行錯誤がありました。
こちらも図案が散りゆく桜の儚げな、美しいイメージになっています。
仕 様
チェーン二本は着脱可能です。内部はマチ二つ、ファスナー一つ、カード入れ等かなり容量はあるかと思います。
素 材
【表面】
- 白部分・・・・牛白(牛革・タンニン鞣し)
- 黒部分・・・・ティーポ(牛革・タンニン鞣し)
- 赤部分・・・・グローリー(牛革・混合鞣し)
【中央】
- グレー部分・・・カフー(牛革・タンニン鞣し)
- 黒部分・・・・・ティーポ(牛革・タンニン鞣し)
【裏面】
- 赤部分・・・・グローリー(牛革・混合鞣し)
【内部】
- 合皮・ミシン仕上げ
頒布した場合 ※要望が来ることはないと思っていますが…。
- 本体・・・39,800円(チェーン付き)
- 送料・・・実費(追跡・補償のある発送方法を指定)
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