本革手縫い キーホルダー作成日記 工程などの紹介です
こんばんは、Kuronekoブランドの製作をしている黒猫です。今回は、キーホルダー作成までのあれこれを書こうと思います。手縫いキーホルダーに挑戦しようと思っている方にも参考となればいいかなと思います。
今回作ったもの↓
私の場合、デザインのセンスがないのでまずデザイナーさんにデザインをしてもらいます。ラフスケッチのデザイン画を頂いてから、縫い幅やカシメ打ちの位置などを実際に作れるように考えながら、型紙の作成をします。
型紙の作成が終わったら、実際に革を裁断し、試作を作っていきます。試作段階ではまだデザイン画の通りに作れないことがほとんどです。そして試作をデザイナーさんに見ていただき、細かな修正点をうかがってからまた、型紙から作り直します。
型紙作成→試作→修正・・・納得のいくデザインに仕上がるまで、何度もこの作業を繰り返します。この時にデザイナーさんと、作る側の私とでケンカになることもあります(笑
どうしても革の特性上、表せないデザインだったり、作業的に無理な工程が出てくることもありますので・・その場合はデザイナーさんと何度も打ち合わせして、お互いに納得のいくところを見つけていきます。
没案の型紙たちです(笑
特にキーホルダーなど小さな物の場合、0.5ミリの違いで仕上がりの印象がかなり違ってきます。鞄などの大物を作るときよりも細かな作業になります。もちろん、大物の場合でも数ミリずれていれば形が歪んだりしてきますので、型紙はとても重要な設計図のようなものです。
◆型紙の作成が終わってからの作業工程
①革の裁断
型紙を革にあてて、目打ちで切り線をつけます。この作業は銀ペンを使う方法もありますが、銀ペンの場合は線が太くなるので私は目打ちを使っています。そして、線に沿って革包丁で裁断します。革の繊維方向によって革がしなったり歪む場合があるので、注意が必要です。
②菱目打ち
基本的には、ヘリから三ミリ程度のところに革コンパスを使って、菱目打ちの線を入れます。この線に沿って、菱目打ちを打っていきます。菱目打ちには1本目から12本目くらいまであります。今回はキーホルダーなので、3本目~1本目を使用しました。
※革の表面によって、コンパスで線が入らなかったりもします。また、革の厚みによってもどこに打つかは変わってきます。
③サドルステッチ
ようやく縫う段階です。縫い方は、シングルステッチ、ダブルステッチ(サドルステッチ・クージュセリエ)、筒縫い、それぞれの派生縫い等、いろいろあります。今回はキーホルダーなので、綺麗に両面にステッチが出るサドルステッチで縫いました。二本の針を使う、手縫いならではの縫い方です。
④カシメ打ち
あらかじめ印を付けておいたところに、カシメ用の穴を空けます。この工程は構造的に可能であれば、先にしておいても大丈夫です。カシメの足の径もいろいろありますので、それに合った工具を使用します。穴が綺麗に空いたら、カシメを打っていきます。カシメのアタマのサイズもいろいろあるので、専用の打ち棒を使います。今回はデザインカシメも使用しているので、デザイン部分を傷つけないよう、自分で打ち台に加工をしました。
⑤仕上げ
形が出来上がったら、ヘリの処理をします。今回のキーホルダーの場合、ベロがついていますので、カシメを打つより先にこちらの作業をしました。革の側面(ヘリ)をサンドペーパーで磨いていきます。革の種類にもよりますが、私は通常#400~#1200のものを使っていきます。ヘリを指でなぞってみて、ひっかかりのない感じになるまで磨きます。その後、トコノール等を使って艶出しをしたり、染料を使って色を乗せていきます。艶出しや色乗せは一回では綺麗にならないので、繰り返し行います。
⑥付属品の接続
こちらは革の作業ではないので簡単に。今回の場合はナスカンやチャームを二重リングに接続していきました。最後の工程ですが、使用するカンの種類が多かったので、注意が必要でした。
完成
小さなものほど細かい作業が多く、小さいから簡単に作れるわけではないので、これから手縫いで革小物等を作ろうと思う方は、パスケースくらいの大きさの物がいいのではないかと思います。
詳しい技術ややり方については、時間のあるときに公開していく予定です。
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